第2段階(2002〜現在)

ジェンダー性教育バッシング

「新しい歴史教科書をつくる会」を主軸とする保守勢力が、「男女共同参画条例の変質と、現場のジェンダーフリー教育と性教育への攻撃」という、二つの柱で展開されています。

1)各地におけるジェンダー・バッシング
2001年ごろから。地方議会の男女共同参画条例や、男女平等教育に対する批判や攻撃が全国各地で行われるようになる。
この動きの背景には、国会・地方議員・学者が加盟するいくつかの全国組織がある。これは右翼ないし保守勢力であり、メディア、出版、研究団体、宗教団体、市民の会など様々な組織、団体とつながっている。そして、歴史、教育、家族などを中心に、議会への陳情などの方法で組織的に攻撃を仕掛けている。反ジェンダーフリー、反夫婦別性、反男女共同参画基本法のキャンペーンを行っている。

山口県宇部市「参画条例の変質」、千葉県議会「条例の廃案」、 鹿児島県議会・石川県議会・徳島県議会・荒川区議会の「ジェンダーフリーという過激な思想運動の排除」、豊中市の元男女共同参画センター長、三井マリ子への攻撃)

2)性教育バッシング
 2002年から、国会で山谷えり子議員の質問が継続的に行われ、行政の具体的な対応を引き出した。
 2001年から配布されていた中学生向け性教育パンフレット「思春期のためのラブ&ボディ」(厚生省所管財団法人作成)に、衆議院文教委員会で山谷議員から「セックスをあおっている」という質問に対して、遠山文部科学大臣が「中学生に、ここまでと言う気がする」と答弁。2002年に「ラブ&ボディ」は絶版。在庫は回収。
以来、産経新聞など、一部のマスコミの報道、「過激な性教育」「行き過ぎた性教育」などの誇大な宣伝が目立つようになる。