新座の公民館はいま

冬の花クリスマスローズ

有料化へ移行する公民館、「原則無料」を取り戻そう

公民館は地域をつなぎ地域をつくる拠点

新座市には、6つの公民館と2つのコミュニティセンターを合わせて、8館の社会教育施設があります。その8館に約800のサークルや団体が社会教育団体として利用し活動しています。

新座に現在のような施設をととのえた公民館が出来てから、30年あまりが経ちますが、その利用料は「原則無料」としてきました。

そのため、新座市の公民館は、地域に根ざした市民の学習や芸術文化・スポーツ・レクリエーションなどの活動を活発化し、まちづくりと市民生活を豊かにし、生きがいの場となってきました。

利用者は公民館職員の学習支援を受けて、活動を継続的に行い、学習を深めることを可能にしたのは、公民館等の使用料が「原則無料」であることが大きく貢献している、と私たちは確信しています。

ところが、1昨年(2005)の3月、新座市は財政難による収支の一律見直しを理由に、公民館の有料化を市議会で一方的に議決しました。

私たちは有料化によって、県下で有数の公民館活動を誇ってきた、新座市の社会教育を後退させるのではないかと憂慮して、市議会に60の利用者団体が連絡会をつくり陳情団体となって、有料化に反対する陳情書を提出しましたが、否決されました。

 2005年7月の有料化実施(社会教育登録団体は半額)から半年後の2006年1月、利用者団体連絡会は200の公民館利用者団体にアンケート調査を行い、105の団体から回答が寄せられました(→詳細はここをクリック)。
その結果よると、公民館の利用や活動には様々な影響が現れており、大多数の利用者が、従来の「原則無料」に戻すよう要望していることが分かりましたので、3月議会に再び65の利用者団体による陳情書を提出しましたが、またも否決されました。

陳情書の趣旨は、アンケートの結果をふまえて、「公民館は憲法教育基本法にもとづく社会教育法により設置されている社会教育施設で、学校教育の『無償の原則』と同等に、公民館の『原則無料』は、憲法の理念に保障されている権利である」こと、「新座の公民館は、これらの理念に支えられた市民の活動の蓄積の上に発展してきたもの」であり、「受益者負担のカルチャーセンターとは違って、地域をつくり地域をつなぐ役割を果たしている施設である」、という内容です。

議会の審議では、議員から、「アンケート調査を評価する」「陳情の趣旨は理解できるが市の財政難解消が先決だ」「税金の使い方に問題がある」「受益者負担の論理はおかしい」「社会教育の軽視だ」「有料化したばかりで朝令暮改はできない」、などという議論が交わされました。

文教経済常任委員会では、陳情者の意見陳述が認められ、私たちは次のような発言をしました。



 公民館は終戦の翌年の、1946年に設置されました。設置の目的は「日本の平和と民主主義を形成するために」「住民は教養と文化を身に付け」「地域をおこし、よくすること」、そのために、公民館に集い、学び、その学びを地域に還元する、ということです。

つまり、公民館は、戦後の憲法が制定されたとき、教育基本法にもとづく社会教育法によって、「国民の“権利としての学び”の場」としてスタートしました。同じく教育基本法によりスタートした「義務教育の学校」と同様に、公民館は「社会教育の学校」なのです。

ですから、学校の「無償の原則」と同等に、従来の公民館が「原則無料」としてきたのであって、市が財政上の理由から、一方的に「原則有料」としたのは、憲法の理念に反するものです。

さて、有料化から1年半経過したこの1月、私たちは2度目のアンケート調査を行い、その結果をもとに、この3月定例市議会に3度目の「陳情書」を提出(70団体)しています。アンケートの結果は、前回に増して「原則無料」に戻すよう8割の団体が要望しています。(→詳細はこちら)

財政難を理由にした公民館等の有料化は、かえって市民の活力やまちづくりの場を阻害し、結果として市財政の損失につながります。

私たちは引き続き、新座の公民館活動が、憲法教育基本法にもとづく社会教育法によって、市民が自由に主体的に学ぶ権利が保障されるよう、運動していきます。