あなたは熟年離婚しますか?

早春の、ツルニチニチソウ

もう一つの2007年問題

離婚する夫婦の厚生年金分割制度が、4月1日からいよいよスタートしました。
同居期間25年以上の熟年夫婦の離婚は、この10年で2倍以上に増えています。30年以上の夫婦に限ってみると3倍近くになり、この増え方は、離婚全体の増加率の2倍にもなります。しかも、そのほとんどが妻からの申し立てによるものです。

長い“夫婦”の時間

地球始まって以来の長寿化によって、夫婦は驚くほど長い二人だけの時間を過ごすことになりました。夫婦がこんなに長く顔を合わせて生きていくノウハウを私たちは持ち合わせていません。

熟年離婚で見直したい

戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代の、1947年から49年生まれの約700万人が2007年から定年を迎えます。
一方、夫たちの退職を前に「熟年離婚」で“自分流の”生きかたをつかみ取ろうとする女性たちがいます。
日本人女性の平均寿命は85.6歳、あと30年近くを「余生」と呼ぶには長すぎます。

メシ、フロ、寝る」

大学を出て結婚した。夫の会社は次々と業績を拡大して深夜帰宅。夫は「会社人間」だった。
家庭のことは自分からか関わろうとはせず、子育てもほとんどが妻まかせ。「メシ、風呂、寝る」の生活。妻を呼ぶときは「あの…」「お母さん」、名前で呼ばれたことはない。
子どものことや家庭の相談をしても、親身に聞かず「別に」と答える優柔不断な態度もイヤだった。

2007年を待っていた

離婚した場合、夫婦の合意があれば、結婚期間中の夫の厚生年金について、妻が分割して受け取れる制度が4月1日からスタートしました。
91年から年々増加した離婚件数は、ピークだった02年の約29万件を境に、2年連続で減っています。07年の「年金分割」を静かに待っていた妻たちがいます。

定年で見直すもう一つの人生

日本は世界でもまれにみる急速長寿社会。定年後二人だけで過ごす時間は、それまで仕事をしていたと同じくらい膨大なものです。
夫婦がこんなに長く顔を合わせて生きていくのは、私たち人類にとって初めてのことです。

結婚と家族、仕事と家庭、私たちにとってもっとも身近な営みは、人を幸福にできるのでしょうか?
離婚を危機ととらえるか、新しい出発と考えるのか。
それまでの夫婦の関係、コミュニケーションのあり方はどうだったのでしょうか?
もう一度、立ち止まって、考えてみてはどうでしょう。